大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)について
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡と呼ばれるカメラを挿入し、大腸(直腸と結腸)と小腸の一部を観察する検査です。観察中に粘膜組織に何かしらの異常があった場合(ポリープ、がん、炎症など)、組織を特殊な器具で採取し、病理検査に出すことにより悪性の細胞がないか調べることができます(生検といいます)。
ポリープや早期の大腸がんを内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)などで切除することもできます。
※当院では、切除後の出血や合併症のリスクを考慮して、10mm以下のポリープに対して、通電しない内視鏡的ポリープ切除術(コールドポリペクトミー)のみ行います。内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)が必要な症例については、専門の医療機関を紹介させていただきます。
当院の大腸カメラの特徴
1.できる限りつらくない大腸カメラを
- 「優しい内視鏡」検査一つ一つの手技を丁寧に、思いやりをもって行います
- 鎮静剤を適切に使用し、眠りながらの検査が可能です
- おなかの張りが少ないよう、体内での吸収が早い二酸化炭素で送気します
2.最新の内視鏡システムで、安心して受けられる大腸カメラを
- 検査はすべて内視鏡専門医の院長が行います
- 富士フィルム社製の最新の高解像度で、画像強調観察(BLI/LCI)・拡大観察ができる内視鏡を使用します
- 10mm以下の大腸ポリープで切除可能と判断した場合、当日日帰りポリープ切除(コールドポリペクトミー)が可能です
- 癌などの悪性病変が見つかった場合、速やかに治療可能な病院へご紹介いたします
- 前処置(下剤の内服)は自宅、院内どちらでも可能です
- 院内で前処置を行う場合は、プライバシーを配慮した半個室空間で下剤を内服できます
- 検査の結果について、わかりやすく説明するよう心がけます
- 内視鏡学会のガイドラインに沿った機器の洗浄を行っています
3.女性医師による女性に優しい大腸カメラを
- 検査はすべて内視鏡専門医で女性の院長が行います
- 検査終了後は、個室のパウダールームを準備していますので、ゆっくり身支度を整えてからお帰りください。
当院で導入している内視鏡システム
富士フィルム社製
ELUXEO7000 SYSTEM
下部消化管用スコープ
当院では、直径11.8mmの最新の内視鏡スコープを導入しております。また、大腸を膨らませる送気には炭酸ガスを使用しますので、体内での吸収が早く、検査終了後のおなかの張りが早く解消されます。大腸内視鏡検査では、内視鏡を挿入する際にお腹の張りや痛みがでる場合があり、特に腸の形や手術による癒着で挿入に時間がかかり、痛みが出やすい方もいらっしゃいます。このような場合には、鎮静剤という少し眠くなり、緊張を和らげる薬を使用して検査することも可能です。当院の内視鏡検査でもっとも大切にしていることは、内視鏡の挿入を丁寧に行うことにより、できる限り苦痛の少ない、やさしい内視鏡検査を提供させていただくことです。
- 以下のような症状がある
血便・黒色便が出る、便秘・下痢・粘液便、腹痛膨満感、便潜血陽性、貧血、体重減少、そのほか排便に伴う不快な症状がある方 - がん検診・人間ドックで便潜血が陽性であった
- 大腸ポリープを切除したことがある
- ご家族に大腸がんや大腸ポリープになった方がいる
- 40歳以上で今まで一度も大腸内視鏡を受けたことがない
- そのほかなにかありましたらお気軽にご相談ください。
当院の大腸内視鏡検査の流れ
1.問診・診察・事前検査
検査前の段階から、丁寧に、思いやりをもってお一人お一人の検査を考え、説明させていただきたいと思っています。
まず、問診・診察で全身状態の把握、既往歴や麻酔・薬のアレルギー歴、内服薬の確認、これまでの検査経験の有無、これまで受けた検査の時に苦しかったこと(例;痛みがとても強かった、)など確認させていただきます。
また、検査に必要な採血(貧血・腎機能含め一般的な全身状態把握の採血、ポリープ切除の可能性があるので血液凝固能のマーカー、感染症など)を行います。
2.検査前日
検査前日の食事は朝、昼、夕食とも食べていただいて結構ですが、できるだけ消化の良いものを食べるようにしてください。海藻・きのこ・こんにゃくなどは控えてください。夕食はできれば20時までに済ませてください。
前日夜、翌日朝の排便を促すため、軽い下剤を服用していただきます。
もともと便秘が強い方は2~7日前から、便を柔らかくする薬を内服していただく場合もあります。
3.検査当日
検査当日は朝から絶食になります。水・お茶は飲んでも構いません。
大腸内視鏡検査を行うためには、大腸の中をきれいにする必要があり、検査の3-4時間前から下剤の内服をしていただきます(前処置)。
前処置を自宅で行う方は、検査を予約する際に下剤をお渡ししますので、説明書にそって検査当日の朝から飲んでいただきます。前処置を院内で行う方は、来院後前処置室で下剤の内服をしていただきます。
内服後の便の状態を、看護師が適宜確認させていただきます。
排便状態が十分でない場合には、下剤を追加したり、浣腸をしたりすることがあります。
4.検査手順
- 検査着に着替えて、検査用パンツを履いていただきます。
- 検査ベッドの上に横になっていただき、点滴を確保します。指に体内の酸素量をモニターする機械を装着します。
- 鎮静剤を投与し、うとうとした状態になったことを確認し、肛門からゆっくり内視鏡を挿入します。(鎮静剤を使用しない希望の方は使用致しませんが、点滴の確保はさせていただきます)
- 途中で体の向きを変え、大腸の奥(盲腸)へ挿入していきます。小腸末端から盲腸~直腸まで観察します。検査中に病変を認めた場合、必要に応じて組織の一部を採取する生検や、ポリープの切除(日帰りポリープ切除)を行います。
検査時間は15分~30分程度ですが、個人差があります。いくつかの処置を伴う場合はそれより時間がかかる場合もあります。
検査後の注意事項
鎮静剤を使用して検査した場合は、終了後約1時間(薬の効果がなくなるまで)ベッドで休んでいただきます。鎮静剤を使用した場合は、当日の車・バイクなどの運転は控えてください。
組織やポリープを取った方は、一定期間消化のよい食事をしてください。刺激物、脂肪分が多いもの、アルコール類は2~3日の間は避けてください。また、激しい運動は控えていただきます。お風呂も長風呂は避けて、検査当日はシャワー程度にしておいてください。
内視鏡スコープ洗浄について
当院では、使用した内視鏡スコープを洗浄するために、富士フィルム社製自動洗浄機を導入しております。
内視鏡洗浄消毒システム
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効率的な高水準消毒と感染予防への徹底配慮を実現
- 「過酢酸」による高水準消毒
- シングルモードや温調タイマーで、スピーディかつ効率的に洗浄消毒
- フットペダルの使用で手による操作を最小限に
- 汚れにくく、クリーニングしやすいデザイン
また、2018年日本消化器内視鏡学会にて作成された、消化器内視鏡の洗浄、消毒標準化にむけたガイドラインの洗浄手順に沿って洗浄、消毒をおこないます。
Ⅰ.ベッドサイド洗浄
- 検査後ただちに洗浄薬を浸したガーゼでスコープ外表面を拭く
(ステートメント3-1) - 洗浄薬を吸引し吸引チャンネル内を洗浄する
- 送気・送水チャンネルにAWチャンネル洗浄アダプターを取り付け送水する
Ⅱ.用手による事前洗浄
- 防水キャップを取り付ける
- 洗浄薬を浸したスポンジなどでスコープ外表面を洗う
(ステートメント3-2) - 送気・送水ボタン・吸引ボタン・鉗子栓をスコープから外して洗浄する
(ステートメント3-4) - 洗浄ブラシで吸引・鉗子チャンネル内をブラッシングする
(ステートメント3-5)
Ⅲ.洗浄・消毒作業
- 内視鏡自動洗浄消毒機にスコープをセットする
(ステートメント1-10, 4-1) - 漏水テストを行う
(ステートメント3-3) - 装置の設定を確認し作動させる
(ステートメント4-1) - アルコールフラッシュを行い、すべての管路を乾燥させる
Ⅳ.洗浄・消毒の履歴管理
- 洗浄・消毒の記録を残す
(ステートメント1-11)